障害のある人達の教育や福祉の可能性を日本に最初に紹介したのは福澤諭吉先生だと言われています。慶應義塾大学では、十分とは言えないかもしれませんが、障害のある学生も安心して勉学できる環境づくりに取り組んできました。これまで、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由等の身体障害のある学生への支援を行ってきましたが、今年度から、軽度発達障害という外見ではわかりにくい障害学生への支援に関する研究活動を開始しました。コミュニケーションがうまくいかない、友達が出来ない、レポートや論文が書けない・・・。努力しているつもりなのに、うまくいかないのは、もしかしたら「軽度発達障害」という外見ではわかりにくい障害が原因なのかもしれません。
本シンポジウムでは、軽度発達障害の理解と支援を目的に、講演、ランチョンミーティング、パネルディスカッションを行います。
開会の挨拶: 増田 直衛(慶應義塾大学文学部、学生相談室長)
講師紹介: 中野 泰志(慶應義塾大学経済学部)
講師: 坂井 聡 (香川大学・教育学部・障害児教育講座)
講演内容: 発達障害のある人の特性などを確認し、その学生たちを実際にどのように支援していけばよいのかについて、相談の事例も交えながら考えていくことにしたい。そして、それらをとおして、今後どのような支援体制を作っていくことが大切なのか、どのように支援していけばよいのかについて、アイデアを考えていくことができればと思います。
講師紹介: 坂井さんは、知的障害養護学校のご経験もあり、知的障害・自閉症の専門家です。1997年に特別支援教育における実践を評価され、辻村奨励賞を受賞されています。また、学術論文以外にも、「自閉症や知的障害のある人とのコミュニケーションのための10のアイデア」等のわかりやすい著書をお書きになられておられます。大学では、発達障害のある学生の支援だけでなく、就労についても実践的に活動しておられ、ジョブコーチとしても有名な方です。大学での支援の実際とトランジションにおける留意点についてわかりやすて、楽しいお話しを聞くことができると思います。
小グループで食事をしながら、インフォーマルなおしゃべりをしましょう。なお、お食事はそれぞれご用意くださるようお願いいたします。
基調講演を受け、大学における支援のあり方について討論したいと思います。特に、高校から大学へ、また、大学から社会への移行のあり方を中心に議論したいと思っています。