令和4(2022)年度PDF版拡大図書に関する研究
令和4(2022)年度「PDF版拡大図書」の新規申請について
研究代表者:中野 泰志(慶應義塾大学)
公開日:2022年1月20日
更新日:2022年3月17日
慶應義塾大学中野泰志研究室では、長年、文部科学省初等中等教育局の委託を受け、視覚に障害のある児童生徒のための教科用特定図書(拡大教科書等)に関する実践的研究を実施しています。2013年度からは、紙の検定教科書と同じレイアウトを保持しつつ、文字サイズやフォント等を柔軟に変更できるデジタルの教科用特定図書として「PDF版拡大図書」の制作・配布を行ってきました。なお、令和4年度より、広島大学から発達障害等を対象にした「UD-Book」が提供されることになりましたが、「UDブラウザ」及び「PDF版拡大図書」は、これまで通り、慶應義塾大学から提供いたします。慶應義塾大学では拡大教科書の利用者のニーズを叶えるために、広島大学からは発達障害等の利用者のニーズを叶えるために、それぞれ引き続き開発・提供に邁進して参ります。ニーズに応じて、それぞれのサービスをご利用いただくようお願い申し上げます。
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- 文部科学省初等中等教育局教科書課「特別支援学校(視覚障害等)高等部における教科書デジタルデータ活用に関する調査研究」
本事業の目的は、視覚障害等のある児童生徒が教科書デジタルデータ(PDF版拡大図書)を教科用拡大図書として使用可能とするための提供システムの構築や、それに伴う諸課題等について検証することです。本事業において、「PDF版拡大図書」を無償で提供させていただきますので、このPDF版拡大図書を授業や家庭学習においてご活用いただき、運用上の課題や利便性等についてアンケート調査等にご協力くださるようにお願いいたします。なお、本事業は、文部科学省からの受託研究であり、今後のデジタル教科書のあり方に資する重要な研究です。
- 慶應義塾大学中野泰志研究室「小中学校におけるPDF版拡大図書に関する調査研究」事業
本事業は、慶應義塾大学中野泰志研究室が、著作権法施行令第2条第1項第2号の規定により視覚障害者等のための複製等が認められる者として作成した小中学生用PDF版拡大図書の効果に関する調査研究として実施します。本事業において、「PDF版拡大図書」を無償で提供させていただきますので、このPDF版拡大図書を授業や家庭学習においてご活用いただき、紙の拡大教科書との比較等に関するアンケート調査等にご協力くださるようにお願いいたします。
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文部科学省の教科書目録にある小学校、中学校、高等学校の教科書は、すべて利用できます。この目録に掲載している教科書であれば、盲学校・高等部・保健理療科や高等専門学校等からの申請も可能です。
すぐに提供可能な教科書
申請後、すぐに利用可能な制作済み教科書は以下の通りです。
作成依頼が可能な教科書
上述の「すぐに提供可能な教科書」リストになくても、文部科学省の教科書目録にある小学校、中学校、高等学校の教科書は、すべて申請可能です。新規作成の依頼方法については「9.申請書類の記入方法」をご確認ください。
なお、新規に作成する場合、時間がかかる場合がありますので、ご了承ください。
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「PDF版拡大図書」の無償提供の対象は、以下の要件を満たしている児童生徒です。また、当該児童生徒を指導している教員への提供も可能です。
- 通常の検定教科書にアクセスすることが困難で、拡大教科書の利用が必要な視覚等に障害(障害者手帳を有している必要はありませんし、視覚特別支援学校や弱視特別支援学級に在籍している必要はありません)がある小学生、中学生、高校生で、教科書目録にある教科書を利用していること
- PDF版拡大図書を授業や家庭学習等で利用したいと希望していること
- 当該児童生徒、保護者、担当教員、学校長が本研究の趣旨に同意していること
- アンケート調査、ヒアリング等、研究への協力が可能であること
- 後述の「PDF版拡大図書運用上の留意点」を守り、不正利用をしないこと
- 学校長が上述の要件を満たしていることを認め、調査研究協力校として登録すること
なお、PDF版拡大図書は、調査研究協力校としてご登録いただいた学校に提供いたします。在籍校の学校長が上述の要件を満たしていることを認め、調査研究協力校になることが出来ない場合には、近隣の特別支援学校や特別支援学級・通級指導教室設置校設置校等を介して手続きをしていただいても構いません。
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学校長及び研究担当者は、以下の留意点を守って、運用していただくようお願いいたします。
- PDF版拡大図書を利用するためには、iPad/iPhone/iPod Touchと教科書・教材閲覧用アプリ「UDブラウザ」(無償)が必要です。これらのデバイスとアプリは、学校もしくは当該児童生徒が用意してください。なお、デバイスがない場合には、事務局にご相談ください。
- UDブラウザには教科書のサンプルが入っていますので、事前に使い勝手等を確認してください。
- セキュリティを担保するため、PDF版拡大図書を利用するiPadには、常時、最新のiOS及び「UDブラウザ」をインストールしていただくようお願いします。
- PDF版拡大図書の提供は、文部科学省等からの受託研究の一貫として行うものであるため、申請された場合には、必ず、研究へのご協力(アンケート調査への協力等)をお願いいたします。
- PDF版拡大図書は、慶應義塾大学のホームページからダウンロード出来る形式で提供いたします。また、ホームページからダウンロードしたデータは、各学校でiPad等に転送するようお願いします(iPad等から直接ダウンロードすることも可能です)。なお、ホームページからダウンロード等が出来ない場合には、事務局にご相談ください。
- PDF版拡大図書は、本研究の目的以外では利用しないでください。セキュリティは担保してありますが、他者にデータを提供する等の不正な利用をしないようにお願いします。
- 各自が利用出来るのは、登録申請していただいたPDF版拡大図書のみです。複数の端末(例えば、学校用と家庭用)にインストールすることも可能ですし、年度途中で追加申請をすることも可能です。
- PDF版拡大図書には、パスワードによる利用制限がかけられています。利用制限を解除するためには、慶應義塾大学に対して利用者登録をしていただく必要があります。
- 慶應義塾大学の事務局とやり取りをする研究担当者を任命してください(特別支援学校の場合は、原則として、学部ごとに任命をお願いします)。
- 研究担当者と事務局とのやり取りは、メールで行います。書類を添付ファイルでお送りすることがあるため、メールにファイル添付が出来るように設定をお願いします。
- iPadを紛失する等で、データ流出の危険性が生じた場合には、必ず、ご連絡くださるようお願いいたします。
- PDF版拡大図書は、各教科書発行者からお預かりしている貴重なデータです。教科書の申請は、間違いのないよう、慎重にお願いします。
- PDF版拡大図書を1冊、作成するためには、日数と費用がかかるため、無償提供が可能なPDF版拡大図書一覧にない教科書の作成を申請する際には、教科書名等を間違えないようにお願いします。
- 紙媒体の教科書の使用義務(学校教育法第34条等)がありますので、ご留意してください。
- 本研究の対象は弱視等で見えにくさがあり、通常の教科書にアクセスすることが困難で拡大教科書を必要とする児童生徒です。障害者手帳を有している必要はありませんし、視覚特別支援学校や弱視特別支援学級に在籍している必要はありません。なお、盲の児童生徒に適用していただいても構いません。
- 特別支援学校、特別支援学級、通級指導教室だけでなく、通常の学級に在籍している児童生徒も利用可能です。
- 前年度から継続して利用する場合、利用したい教科書は、すべて登録してください。
- 当該児童生徒を指導する目的(教材研究や授業中の指示等)で、教員が利用することも可能です。その場合、あくまで児童生徒が利用していることが前提になっているので、必ず、利用登録をお願いいたします。なお、当該児童生徒が利用していない教科書を申請することは出来ませんので、ご注意ください。
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- 学校長へのお願い
- 研究への参加要件や運用上の留意点の確認
- 研究担当者の任命
- 研究担当者の方へのお願い
- 利用者の登録・管理
- 慶應義塾大学との連絡用メーリングリストへの参加
- データの管理(DVD等で提供を受けた場合には返却)
- DVD等で提供を受けた場合には、PDF版拡大図書の入ったDVDを利用したインストール作業
- PDF版拡大図書のサーバーからダウンロード&インストール作業
- 児童生徒、教員、保護者からの意見の集約ならびに事務局との連絡役
- アンケート調査等への協力
- 慶應義塾大学が主催する実践研究成果報告会や日本弱視教育研究会の機関誌「弱視教育」等での報告(希望する学校のみ)
- PDF版拡大図書の利用を希望する児童生徒の皆様へのお願い
- PDF版拡大図書を授業や家庭学習等で利用
- アンケート調査およびインタビューへの協力
- データや使い勝手等について気付いたことの教員への報告
- 当該児童生徒を担当している教員の皆様へのお願い
- アンケート調査およびインタビューへの協力
- 児童生徒からの意見聴取と報告
- PDF版拡大図書を授業等に利用していただき、自ら気付いた点等の報告
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PDF版拡大図書の提供にあたっては、「教科書デジタルデータの提供に関する実施要項(平成21年2月10日 文部科学大臣決定 平成22年3月18日改正)」に基づき、利用する教科書を文部科学省教科書課及び教科書発行者(出版社)に提出する必要があります。
学校長からご指名いただいた研究担当者の先生にてHPから申請書類一式をダウンロードしていただき、必要事項にご記入の上、メール添付にて、ご送付ください。なお、研究担当者の先生のメールアドレスは、慶應義塾大学との連絡用メーリングリストに登録させていただきます。
「研究協力校承諾書」等の確認が終わりましたら、PDF版拡大図書を提供させていただきます。
ステップ1:申請要件の確認
研究協力校として申請する前に、上述の説明、特に、「4.本研究への参加要件」、「5.PDF版拡大図書運用上の留意点」、「6.ご協力いただきたい内容」、「7.注意事項」をご確認ください。
ステップ2:申請書のダウンロード
以下のリンクより申請する学部の申請書一式をダウンロードしてください。書類記入方法については、動画をご覧ください。
ステップ3:申請書への記入
学校長に「研究協力依頼書」をご確認いただき、研究にご協力いただける場合には、「9.申請書類の記入方法」をご参照の上、必要事項をご記入ください。
特別支援学校で申請していただく場合、学部単位(中学部、高等部それぞれにご担当者を決めてください)でお願いいたします。教科書申請等の諸手続きについては、各学部の研究担当者の先生(規模の小さな学校の場合には、1人で複数の学部を取りまとめていただいて構いませんし、規模の大きな学校の場合には、1つの学部を複数名でご担当いただいても構いません)とメールでやり取りさせていただきたいと思います。
高等部・保健理療科や高等専門学校等からの申請も可能ですが、提供出来る教科書は、高等学校用教科書目録(令和4年度使用)にあるもののみですので、ご了承ください。
ステップ4:事務局への送付
必要事項を記入の上、「2022年度PDF版拡大図書の調査研究協力校申請」という件名で、申請書類をメール添付で事務局(info-nakano-group@keio.jp)にお送りください。
ステップ5:事務局からの返信の確認
- 事務局で書類を受け取ったら、確認メールを研究担当者宛にお送りします。もし、確認メールが届かない場合には、お手数ですが、事務局にご確認ください。
- 事務局で書類の確認が終わったら、PDF版拡大図書をダウンロード・利用するために必要な情報を研究担当者宛にお送りします。
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- 研究協力校承諾書
- 学校名、校長名、申請人数、研究協力者の情報を記入してください。
- 研究協力者は事務局とやりとりをしていただく方の情報を記入してください。
- 利用者申請
- 初めに利用者申請書の内容をご確認いただき、どの生徒にどの利用者IDを振り分けるか決めてください。
- 決まりましたら、学校名・研究担当者の氏名と振り分けた利用者IDに対して該当の児童生徒の情報を記入してください。
- 教材研究や授業中の指示等の目的で、教員も使用したい場合は申請が可能です。
- 各利用者IDと児童生徒の対応がわかるように、学校保存用の対応表を作成し、学校に保管していただくようお願いします。なお、この対応表には、個人情報が含まれますので、事務局に送らないように気をつけてください。
【記入上の留意点】
- 利用者申請書を提出する学校に在籍している児童・生徒のIDは高等部H~、中学部J~、小学部P~(利用者申請書画面左側の欄)、利用者申請書を提出する学校に在籍しておらず、相談・通級している児童・生徒のIDは高等部HN~、中等部JN~、小学部PN~(利用者申請書画面右側の欄)を割り振ってください。
- 相談・通級・その他の児童・生徒については、利用者申請書右端の「在籍学校名」欄に在籍校名を記入してください。学校名を記入できない場合は任意の番号を記入してください。なお、同じ学校の生徒には同じ番号を振ってください。
※詳細は記入例が記載されておりますので、利用者申請書をご確認ください。
- 同じ学部内に追加で申請を希望する場合、すでに提出していただいた利用者申請書の続きから利用者IDを割り振り、生徒の情報を記入して事務局までお送りください。
※通級や相談の生徒から追加申請が来た場合も同じです。
- 教材研究や授業中の指示等の目的で、教員が利用することも可能です。ただし、教員が申請を出せる教科書データは申請をした生徒と同じ教科書データのみです。
- 教員は学部関係無く、学校内共通のIDになります(T-~)。(例えば、T-001の先生は学校全体の中で1人しか申請出来ません。)他の学部の先生が申請される場合、I Dが被らないようにそれぞれの先生にI Dを振って、利用者申請書を提出していただきますようお願いいたします。
- 学校保存用の対応表は個人情報が含まれますので、事務局に送らないように気をつけてください。
- 認証パスワード申請書
- 認証パスワード申請書は1人につき、1つのエクセルを作成してください。希望者が3人の場合は、3つエクセルファイルを作成してください。
- 申請書のエクセルには「プロフィール」のシートタブと「教科書」のシートタブがありますので、両方の記入をお願いいたします。
【記入上の留意点】
- プロフィールのシートタブについて
- 「プロフィール」には、利用者申請書で児童生徒に振り分けた利用者IDや該当児童生徒の「在籍校」、「視機能」、「利用している教科書」の各項目について必ず答えてください。
- 回答欄がプルダウンになっているものは当てはまる項目に「○」を選択し、「右の黒枠内に、記入してください。」とある項目については、回答欄に直接記入してください。
- 教科書申請のシートタブについて
- 利用者ID、認証コード、教科書ファイル名を記入してください。
- 「認証コード」を取得する際には、PDF版拡大図書を利用するiPad等を利用してください。
- 「認証コード」の取得方法は申請書一式内の「08_認証コード取得方法_2022年度.pdf」をご確認ください。
- 教科書ファイル名は、「出版社名_教科_教科書番号_学年_発行年_検定年」で構成されています。
- 提供を希望する教科書の「教科書ファイル名」欄については申請書一式内の「2022年度教科書一覧」から「略称・記号・番号・教科書名・制作状況・教科書ファイル名」の一列をコピーして申請書へ全て貼り付けてください。教科書番号や教科書名等にフィルターを設置いたしましたので、提供を希望する教科書を検索してください。
- 「2022年度教科書一覧」の「作成状況」の欄が空欄のものは作成済み、「未作成」と記入しているものは研究室にないため新規作成が必要になります。こちらの教科書を選択された場合、提供までに時間がかかる可能性がございますのでご了承ください。
- 教員は児童・生徒と同じ教科書のみ申請が可能です。
- 2022年度教科書一覧について
- 2022年度教科書一覧には今年度の教科書目録に載っている全ての教科書が記載されています。教科書一覧に載っていない教科書(古い教科書)の提供を希望する場合は事務局までご連絡ください。
- 高等学校・保健理療科の2022年度教科書一覧には「目録第1部」と「目録第2・3部&研究室所有教科書」のシートタブがございます。令和3年度に検定された新しい教科書を提供希望する場合は「目録第1部」を、目録第2・3部に記載している昨年度以前の教科書を提供希望する場合は「目録第2・3部&研究室所有教科書」のシートタブから教科書情報をご確認ください。
- 申請方法の概略
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申請手続きが終了したら、事務局から認証パスワード等のお送りします。「PDF版拡大図書をUDブラウザへ取り込む方法」についての説明資料も添付しますので、手順に従って、PDF版拡大図書をご利用ください。なお、PDF版拡大図書をUDブラウザへ取り込むためには、以下の3種類の方法があります。
- ケース1:iPadをインターネットに接続し、ダウンロードする方法
- ケース2:DVDからパソコン経由でiPadに転送する方法
- ケース3:パソコンをインターネットに接続し、ダウンロードした後に、iPadに転送する方法
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