ウインドウズOS用スクリーンリーダー

 画面が見えない・画面が見えにくい視覚障害学生は、スクリーンリーダー(画面読み上げソフト)が必要になるケースがあります。また、学生によっては点字ディスプレイが必要となるケースがあります。

 現在、国内で最も普及しているスクリーンリーダーは PC-Talker です。また、無料のスクリーンリーダーNVDA もあります。企業で導入される業務用スクリーンリーダーとしては JAWS が知られています。いずれも一長一短がありますが、主に、メールやネット検索、Zoom・Skypeの利用範囲であればどのスクリーンリーダーでもさほど差異はありません。価格は各メーカーページを参照ください。

 上記3つのWindows用スクリーンリーダーには画面の内容を音声化し、キーボードだけで操作できる仕組みが搭載されています。いつも同じスクリーンリーダーを使うケースもありますが、各スクリーンリーダーには得意・不得意があり、適宜使い分ける工夫もあります。なお、既に、視覚障害学生はこれらのスクリーンリーダーを所有している場合がありますので、事前のヒアリングをしておくとよいです。また、画面の内容を点字ディスプレイに出力する機能もありますので、点字ディスプレイを持っている学生なら、事前にデータを対象の学生にメール送信することで、音声に加え点字でも読むことができるわけです。言い換えれば、視覚障害の学生の皆さんは、学校や大学にこれらの備品があるかを確認すること、電子データは事前に受け取っておくことを留意しておくことが大切です。

 点字ディスプレイについては、国内では、 KGSのブレイルメモシリーズHIMS(日本語版はExtra)のブレイルセンスシリーズ のどちらかです。学校や大学によっては備品として購入されていることもありますし、学生が自分で所有していることも考慮してヒアリングしておくとよいでしょう。

 オンライン授業を行う際には、配付資料が十分にアクセシブルであるかを考慮してほしいです。視覚障害学生における電子データのアクセシブルの判断は、上記のスクリーンリーダーで音声化できるかどうかです。これは学生に確認してもらう前に、教員自身も確認できます。方法としては、無料のスクリーンリーダー NVDA を教員PCに導入し、配付するPDFやパワーポイントなどを開き、NVDAで読めるかどうかを確認することです。視覚障害学生はマウスやトラックパッドを使用できないケースがありますので、キーボードの左右上下の矢印キーを押したときに音声化できているかを確かめてください。配付資料の音声化が難しい場合や教員がキーボードの操作法が不明な場合は、PDFやパワーポイントをテキスト形式に変換して視覚障害学生にメールで送信するのがよいです。

 スマートフォンやタブレットで授業を受講する場合は、アップルのiPhoneやiPadが一番アクセシブルです。iPhoneでVoiceOverをオンにして練習する で基本的な事項をマスターし、 ボイスオーバーのジェスチャー一覧表 ですべてのジェスチャーを確認して適宜使えるようになるとよいです。アップル系の機器でわからないことがあったら アップル・アクセシビリティー・メーリングリスト で質問するといいです。

文責:御園


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