作成:中野 泰志(慶應義塾大学日吉心理学教室)
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を迎えるにあたり、共生社会に向けた取り組みに関心が集まっています。日本政府は、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部の下、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向け、全国展開を見据えつつ、世界に誇れる水準でユニバーサルデザイン化された公共施設・交通インフラを整備するとともに、心のバリアフリーを推進することにより、共生社会を実現する必要性から、「ユニバーサルデザイン2020関係閣僚会議」を設置しました。そして、共生社会を実現するために、「ユニバーサルデザイン2020行動計画」が発表されました。
これまで「心のバリアフリー」という言葉は、様々な意味や文脈で利用されてきましたが、「ユニバーサルデザイン2020行動計画」では、以下の点をポイントとしています。
日本福祉のまちづくり学会「心のバリアフリー」特別研究委員会では、様々な障害当事者団体と共に、「障害の社会モデル」に基づいたバリアフリー研修のあり方について調査や議論を行ってきました。そして、「ユニバーサルデザイン2020行動計画」に掲げてある「心のバリアフリー」を推進するために、様々な活動を展開しています。
また、慶應義塾大学日吉心理学教室中野泰志研究室では、文部科学省初等中等教育局教科書課の「特別支援学校(視覚障害等)高等部における教科書デジタルデータ活用に関する調査研究」、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課の「障害のある児童生徒の学習上の支援機器等教材開発事業」、文部科学省科学研究費補助金・基盤研究(A)「通常の学級で学ぶ視覚障害児のための合理的配慮に関する支援システムの構築」(課題番号16H02072)の援助を受け、「心のバリアフリー」を支えるための基礎的研究を実施しています。
今回のイベントでは、「バリアフリーフェスタかながわ実行委員会」の協力を得て、これら「心のバリアフリー」に関する多様な取り組みをわかりやすく伝えるために、体験型のイベントを計画しました。新しい「心のバリアフリー」の考え方を身につけるために、ぜひ、ご参加ください。
なお、慶應義塾大学日吉キャンパスでは、本イベントと同時に「バリアフリーフェスタかながわ2017」、「手話を通して、ともに生きる社会をつくるために〜神奈川県手話普及推進イベント〜」が開催されていますので、併せてご参加ください。
日本福祉のまちづくり学会「心のバリアフリー特別研究委員会」が立案した新しい研修プログラムを体験していただけます。このプログラムは、『「心のバリアフリー」に向けた汎用性のある研修プログラム』を発展させて作成しました。
参加を希望される方は、件名を「10月8日心のバリアフリー研修会参加申込」とし、以下の必要事項を記入して kokoro-bf-jais-group@keio.jp までメールをお送り下さい。
研修会の詳細は別ページでご確認ください。
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を迎えるにあたり、世界に誇れる水準でユニバーサルデザイン化された公共施設・交通インフラを整備するとともに、心のバリアフリーを推進することにより、共生社会を実現することをめざし「ユニバーサルデザイン2020行動計画」が発表されました。ここでは、内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局にお越しいただき、取り組みの概要をご説明いただきます。
講演者:落合 啓士(buen cambio yokohama;ブラインドサッカー日本代表)
障害って何でしょうか? ここでは、ブラインドサッカー日本代表の落合 啓士選手に、お話を伺います。落合選手によれば、見えなくなってから気づいた問題点には、環境が整っていなことによって生じるもの、人々の理解不足によるものがあるそうです。そういった社会における現状の問題点や改善点などを、ご自身の経験からお話いただきます。
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を迎えるにあたり、世界に誇れる水準でユニバーサルデザイン化された公共施設・交通インフラを整備するとともに、心のバリアフリーを推進することにより、共生社会を実現することをめざし「ユニバーサルデザイン2020行動計画」が発表されました。ここでは、内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局にお越しいただき、取り組みの概要をご説明いただきます。
障害者スポーツは、さまざまな障害のある人も含めて、みんなが同じように楽しめるように工夫がなされています。これには、社会を変えて様々な人が参加できる環境を作っていくという、障害の社会モデルの考え方と共通する部分があります。したがって、そのルールについて考えることが、障害の社会モデルの理解につながると考えています。今回は、ブラインドサッカーを例にとって、講義や体験を交えながら、障害や社会について考えてみましょう!
*本研修会・講演会・ワークショップは、慶應義塾大学・安全クラスター研究「安全を実現するための技術・社会システム統合安全デザイン方法論の確立とその適用」及び日本福祉のまちづくり学会「心のバリアフリー」特別研究委員会の活動として実施いたします。
障害のある子ども達の教育は、近年、大きく変化しています。特殊教育から特別支援教育に移行し、共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育が推進されています。しかし、障害のある子ども達が、学ぶためには、教科書や教材等、様々な配慮が必要です。このコーナーでは、障害のある子ども達が教科書や教材を閲覧するために開発した「UDブラウザ」や「教科書デジタルデータ」について紹介します。
困っている視覚障害のある人を見かけたときに、どのように声をかけ、どのようにガイドをすればよいのでしょうか? また、視覚に障害のある人達が日常生活や社会生活を送る際に、どんな道具を活用しているのかご存じでしょうか? このコーナーでは、(1)白杖歩行体験、(2) ガイドヘルプ体験、(3)用具の展示・紹介を行います。
富士ゼロックス株式会社は、弱視児の拡大教科書作成を支援するために、1994年から全国の営業拠点や販売会社のカラー複写機・複合機の無料貸し出しを行ってきました。その後、文部科学省から委託された事業の一環として、拡大教科書を製作するための「教科書デジタルデータ」の入手手続きから、活用方法までの各種マニュアルの新規作成および改編を実施しています。また、「教科書デジタルデータ」を活用した「デジタル教科書」に関する研究にも協力しています。このコーナーでは、障害のある子ども達のために作成された最新のデジタル教科書を紹介します。未来の教科書をぜひ体験してください。
障害者差別解消法の理念に基づき教科書・教材の合理的配慮を実現する、ユニバーサルデザイン対応の教科書体「UD デジタル教科書体」や、分かりやすく、読みやすく、間違いにくいをコンセプトに私たちの暮らしの様々なシーンで活躍するバリエーション豊かな「UD書体」、障害をもつ子供達を支援する先生方・ボランティアの方へのヒアリングを経て完成された「TBUD 学参丸ゴシック体」などこれからの教育現場を支えるユニバーサルデザイン書体を多数ご紹介いたします。これらの UD書体は全て慶應義塾大学中野泰志教授のご協力により、リーダビリティ(可読性)、レジビリティ(可視性)の比較研究やアンケート・ヒアリング検証などを行い、エビデンスを取得しています。また、このコーナーでは「Paired Comp」による一対比較法の簡単なエビデンス実験も体験できます。
教科書協会は、検定教科書の質的向上と教科書の発行及び供給に関する調査研究を行い、学校教育の充実発展に寄与し、あわせて出版文化の向上させることを目的に設立された団体です。多くの教科書発行者(教科書会社)が所属しています。ここでは、各出版社が発行している拡大教科書を展示します。また、教科書発行の現状や課題について紹介します。
視覚障害者はどのように読書を楽しんでいるのでしょうか? このコーナーでは、点字や録音、拡大等の資料を紹介します。神奈川県ライトセンターは、神奈川県内の視覚障害者を対象に総合的なサービスを提供しています。情報提供の紹介とともに、さまざまなサービスについてもご案内します。
このコーナーでは、ボランティアが製作している、利用者個人の見え方に合わせた(プライベート)拡大教科書・拡大教材、幼児向け教材を展示します。神奈川県拡大写本連絡協議会とは、神奈川県内で拡大教科書を製作している17団体が所属している連絡協議会です。神奈川県視覚障害援助赤十字奉仕団とは、視覚障害者の「目の代わり」を活動の理念として結成されました。県内全域の視覚障害者を対象として『トータルな援助活動』を目標に、神奈川県ライトセンターに拠点を置き活動しています。
「心のバリアフリー」「ユニバーサルデザイン2020行動計画」に関する広報等を展示します。
*本展示会・体験会は、文部科学省初等中等教育局教科書課委託事業「特別支援学校(視覚障害等)高等部における教科書デジタルデータ活用に関する調査研究」、文部科学省科学研究費補助金・基盤研究(A)「通常の学級で学ぶ視覚障害児のための合理的配慮に関する支援システムの構築」(課題番号16H02072)の活動として実施いたします。