慶應義塾は1858年(安政5年)創立以来150年の歴史を刻み、来る2008年に日本の近代総合学塾として初めて、創立150年を迎えます。その記念事業の一環として、バリアフリー・ユニバーサルデザイン(UD)の視点を持ち、独立して生きる力と協力して生きる力を兼ね備えた人間を育成するための教育プログラムを実施します。
超高齢社会においては、障害者や高齢者を含めた多様な人がお互いの違いに気づき、その差異を認め合って共生していくことが重要です。そのような超高齢社会において、多様な人への高い共感性を持ち、共生をナビゲートできる教養ある未来先導的リーダーを育成することは、我国の未来社会を先導する慶應義塾にとって重要なテーマです。そこで、以下の教育プログラムを計画しました。
本プロジェクトでは、慶應義塾における障害のある学生・教職員への「バリアフリー・ユニバーサルデザイン(UD)支援の仕組み構築を目指し、試行プロジェクトを実施」します。さらに、その仕組みを塾内及び社会展開する「バリアフリー・UDの未来先導的リーダーの人材育成を行う教育プログラムの開発」を行い、バリアフリー・UDに深い理解を持った教養人の育成を行いたいと考えています。ここで培われる能力はグローバル化が急速に進む国際社会において、多様な文化、価値観に気づき、理解し、共に協力して生きる力「協生」にも繋がると考えられます。
先進諸国では、米国の改正リハビリテーション法508条、Americans with Disabilities Act(ADA)法に見るように障害者の権利に基づく社会システムが構築されており、また、国連の障害者権利条約等を考慮すれば、未来社会をリードする国際的教養人には、あらゆる社会参加の場面において、バリアフリー・UDの視点を内包していることが不可欠です。さらに本プログラムは障害者、高齢者へのバリアフリー・UDのみならず、様々な宗教、民族、文化への意識のバリアフリー・UDへと発展させていく方向性も備えています。
未来を先導していく人材に必須となるバリアフリー・UDの理念・知識を得るための公開セミナー、先駆的な実践を行っておられるトップランナーによる企業セミナー、障害とは何かを問い直す実体験型ワークショップ等を計画中です。
公開セミナーでは、バリアフリー・UDの理念や知識をわかりやすく紹介いたします。公開セミナーの第1回目の基調講演には、23年7ヶ月厚生省に勤務され、障害福祉の仕事をライフワークにしてこられた浅野史郎先生をお呼びし、基調講演をしていただきます。
企業セミナーでは、バリアフリー・UDの先進的な取り組みをトップランナーの方々にご紹介いただきます。先進諸国では、米国の改正リハビリテーション法508条、Americans with Disabilities Act(ADA)法に見るように障害者の権利に基づく社会システムが構築されており、また、国連の障害者権利条約等を考慮すれば、未来社会をリードする国際的教養人には、あらゆる社会参加の場面において、バリアフリー・UDの視点を内包していることが不可欠です。
ワークショップでは、バリアフリー・UDを体験的に理解するプログラムを計画しています。例えば、真っ暗な空間を、視覚障害のあるナビゲーターに誘われながら、「見ること」を問い直し、「触ること」を始めとした他の感覚を覚醒させていくというプログラムを企画しています。なお、ワークショップは、学生や障害のある人が中心となって、